不正の疑惑
海勝麟六の娘、梨江は、父である麟六の代わりにパーティに出席することとなる。
麟六は、検察の顧問をしている探偵である。
そして、梨江が参加することとなったパーティとは、復興特需に関し不正の疑惑をかけられた加納信実が、自分の逆援での無実を晴らすために、自宅のビルで開いたものである。
そのパーティには、推理で麟六にいつも負けているために敗戦探偵と名付けられた結城新十郎とその連れである、因果という少年が来ていた。
そんなパーティで、加納が自分の無実を主張する前に殺害されてしまう。
加納信実を殺害したのは、妻の敦子だった。
彼女が夫を殺害した理由は、信実に、一生英雄でいてほしかったからであった。
この世界では、数年前まで、戦争をしていた。
信実は、戦時中は、自国を守り、物資等の輸送に貢献したりなど、英雄として輝いていた。
しかし、戦争が終結すると、その戦争で戦死した者は、英雄として称えられる。
しかし、生き残り、国のために活動している者は、不正の疑惑をかけられたりなど、犯罪者扱い。
敦子は、自分の中では、英雄であった夫が、英雄ならば絶対に陥ることのないような状況に陥ることに耐えられず、警察に殺されたように見せかけることで、信実は、英雄としての死んでいったと世間に見せつけるために殺したようだ。
時代時代によって、英雄の中身は変わっていく。
一生の中で、英雄だったものが、その地位から落ちることもあるだろう。
そんなときは、セフレと呼ばれていたその人自身は変わっていないということを理解する必要がある。